1990年代

Figure Of Eight (1990年)

 1989年から始まったポールの13年ぶりのワールド・ツアーの演奏シーンをフィーチャーしている。ちなみにこの曲は、このツアーのオープニング曲となった。この曲を演奏している場面だけでなく、レス・ポールのギターを持っている姿や、マジック・ピアノを演奏している場面も見ることができる。

Figure Of Eight (Live) (1990年)

 1989年から1990年のワールド・ツアーの演奏場面で、実際のライブの映像と音声を用いているが、映像は数カ所で撮影されたものをつないでいる。
 このプロモは、イギリスの音楽番組「Wogan」で放送された。

Put It There (1990年)

 この曲のタイトルは、ポールが幼少の頃、いつも父親が口癖のように話していたものらしいが(Put it there, if it weighs a ton)、そのコンセプトに基づき、父親と少年の姿をフィーチャーしており、間にポールの弾き語りの場面が挿入される。

We Got Married (1990年)

 この曲も「Figure Of Eight」と同様に1989年からのワールドツアーで演奏されたこの曲の演奏場面を使用しており、移動中のポールの姿、観客の姿なども使用している。なお、タレントの石橋貴明が、日本公演の時の観客の中にいるのが確認できる。

Distraction (1990年)

 このプロモは、公式ビデオ「フラワーズ・イン・ザ・ダート・スペシャル(Put It There)」にも収録されている。ポールがこの曲をスタジオで演奏する姿が使用されている。カメラアングルは、プロモ「Put It There」と少し似ている。

Ou Est Le Soleil? (1990年)

     「スーパー・マリオ・ブラザーズ」のようなゲーム画面を似せたプロモ。ゲーム画面の後ろから姿を表すポールの姿がおもしろい。

Party Party (1990年)

 公式ビデオ「フラワーズ・イン・ザ・ダート・スペシャル(Put It There)」にもこの曲の演奏シーンが収録されているが、そのシーンにいろいろなサイケデリックなアニメーションをつけたものがこのプロモである。

How Many People (1995年)

 公式ビデオ「アースライズ」に収められているプロモ。このビデオのために制作されたプロモ。このビデオは、森林保護の目的で制作され、国連アースサミットを通じて森林保護のための基金として使用された。
 ポール自身は登場せず、森林保護との目的から、森林伐採の現状や、ジャングルの現地の人々の生活を写したプロモとなっている。

Birthday (1991年)

 1990年にアルバム「Tripping The Live Fantastic!!」からシングルカットされたシングルのプロモで、1990年のツアーから、ライブ映像と音声を使用している。1990年にビデオCDとして公式発売されたのみで、VHS形式のビデオ、LD等では発売されておらず、プレミアがついている。

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (1991年)

 このプロモも「Birthday」と同じく、1990年のツアーのライブ映像と音声を使用している。後に発売された公式ビデオ「Get Back」と一部同じ場面がある。

Hope Of Deliverance (1993年)

 職を持たずに生活保護を受けて生活している団体(約150人)をエキストラに採用したことで話題になったプロモ・ビデオである。ポールが森の中を歩いているビデオから始まり、森の中での150人もの団体に囲まれた演奏シーンへと移ります。撮影は、ロンドンのノース・アクトンにあるスタジオで撮影された。
 当時、日本テレビ系列の番組「クイズ Show by ショーバイ!」のテーマ曲として使用され、番組のエンディングに、このプロモ・ビデオがほんの数秒だけ写っていた。

C'mon People (1993年)

 歌詞のとおり、メッセージ色の強いプロモ・ビデオとなっている。最初はモノクロで、ポールの弾き語りシーンが始まったかと思いきや、いきなり地球が破裂する場面に。ちなみに、1993年の「The New World Tour」のオープニング・フィルムでも似たような地球の爆発シーンがあった。
それから、ポールの弾いているピアノを解体して、最後には真新しいピアノになったところで、周辺はお祭り状態となり、(41)「No More Lonely Nights [disco]」に登場するような、各国のお祭りやダンスの映像が挿入される。
監督は元10ccのケビン・ゴドレーで、ピアノの解体シーンでは、ポールと解体作業員との動作のスピードの違いを同じ画面上で再現するという、監督の編集テクニックがよくわかる。

Off The Ground (1993年)

 アルバムのタイトル曲となったこの曲のプロモ・ビデオは、「Off The Ground」のシングル盤に収められている「Soggy Noodle」から始まる。そして、ヘフナーのベースが空中を舞ったと思ったとたん、今度はポール自身が空中に舞い、Off The Groundしていまう。そして、ナイアガラの滝、アマゾンのジャングル、ニューヨークの街などの世界中の上空を飛び回っていく。ポールが空を飛んでいる間に、バンドの演奏シーンが時々挿入される。
 最後は、ポールが中に吊られた椅子に座って、ギターを弾いている場面から、バンドメンバー全員が空中に舞い、アルバム「Off The Ground」のジャケットのように、バンドメンバーの足だけが映し出される。

Biker Like An Icon (1993年)

 この曲のプロモ・ビデオは4バージョン存在すると言われています。一番よく放送されたのがバージョン1で、バイク乗り(biker)と付き合っている女性の生活を映し出した映像の横で、ポールがこの曲を歌っている姿が重なるような映像となっている。

Get Out Of My Way (1993年)

     1993年の「The New World Tour」のドレス・リハーサルでこの曲を演奏する映像をそのままプロモ・ビデオとして使用しており、映像の一部のみ、公式ビデオ「Movin' On」に使用されているドレス・リハーサルと異なっている。

Deliverance (mix) (1993年)

 ポールは、「The Fireman」名義で1993年にリリースしたアルバム「Strawberries Oceans Ships Forest」や1998年のアルバム「Rushes」でも分かるように、最先端の流行音楽としてハウスを制作する傾向にもあり(やっぱり最先端についていかないと気が済まない人なのだろうか?)、この発端となったのが、1987年頃に録音された(発表は1997年)「Atlantic Ocean」や1989年の「Good Sign」、およびこの「Deliverance [mix]」である。私はハウスに関しては全く分からないのですが、このプロモ・ビデオもよくわかりません(笑)。ポールの姿、演奏シーンは全くなく、とある町の様子、子供が遊ぶ姿、鳥が飛ぶ様子をスローモーションにしたものなどを映像に使っている。

Young Boy #1 (1997年)

 バージョン1は、この曲のレコーディング(ただし、ボーカル録りとドラム録りに限られているのですが)と、ポールがスコットランドの農場を散歩する姿を使用している。ポールが車の助手席から、何やらカセットテープ(デモテープ)を取り出してカメラの方に見せたりというシーンもあるが、一人で散歩しているポールを見ると、曲調もあってか、何故か悲しい気分になっていく。

Young Boy #2 (1997年)

 バージョン2は、スタジオ内でアコギを弾きながら疑似演奏をするポールの後ろにスクリーンがあり、そこには誰かがサーフィンをしている姿が映し出される。間奏には、この曲のリードギターを担当しているスティーブ・ミラーも登場する。アルバム「Flaming Pie」のジャケットおよびインナーにもよく用いられている花々も、このプロモ・ビデオにふんだんに用いられている。

The World Tonight #1 (1997年)

 バージョン1は、ポールがラジカセを担ぎながら町を歩き、ゲーム・センターに入ったり、フィッシュ・アンド・チップスの店に入ったり、道路に出てヒッチ・ハイクを行ったりとしている映像の合間に、ポールのスタジオでの録音風景や、浜辺で遊ぶ姿なども挿入される。このプロモ・ビデオの撮影は、実際にポールがラジカセを担ぎながら、アドリブでいろいろなところに行くのを収めたという。ポールの着ているコートが、ビートルズ時代の映画「Let It Be」で着ているものを同じということも話題になった。

The World Tonight #2 (1997年)

     バージョン2は、ポールの自宅と思われる場所で、ポールとリンダが黄色と白の縞模様の入った傘を振り回しながら、仲良くしている姿を写したもの。ポールの髪型が時折変わるのには驚いてします。このプロモ・ビデオの監督はポールの次女メアリーで、VH1の特別番組「Town Hall Meeting」でポール自身がこのプロモ・ビデオを紹介した。日本盤のビデオ「In The World Tonight」にも収録されている。

Beautiful Night (1997年)

 別名「Hey Nude」とも言われてしまったプロモ・ビデオであるが、曲の最後の方で男性と女性が川の中に飛び込んで抱き合うシーンがあり、女性がそこではヌードになっていることがその理由。ヌードのシーンが問題になったため、女性の裸が見えないよう編集したものも制作され、こちらのほうが世界各国で放送た。
 このプロモ・ビデオも凝った作りになっていて、町の様子が映し出されるテーブルにポールが腰を掛けており、その部屋の中にあるレバーを下げると、町中の電気が消えてしまう。電気のない町を「Beautiful Night」としているのか? 終わりの方では、リンゴ・スターも出演していて、ドラムを披露している。また、ポールは高校生バンドと競演しており、テレビがビルの屋上から演奏しているバンドにめがけて落ちてくる絵で、このビデオは終了する。