マサチューセッツ州ケンブリッジ(CNNMoney) ゲームメーカーの米ハーモニクスは、ビートルズのメンバーが登場するファン待望の音楽ゲーム「ザ・ビートルズ:ロックバンド」を間もなく米国で発売する。
ハーモニクスは音楽番組を手掛ける米MTVの子会社で、アレックス・リゴパロス、イーラン・イゴジーの両氏が創設。CNNマネーはケンブリッジのオフィスで両氏にインタビューし、ゲーム開発のエピソードなどを語ってもらった。
同社はマサチューセッツ工科大学(MIT)でコンピュータを専攻し、趣味でクラリネットを吹いていたイゴジー氏と、作曲を専攻し、コンピュータープログラミングが趣味だったというリゴパロス氏が出会い、卒業後、音楽とハイテクの融合を目指して1995年に設立した。
当初はディズニーのテーマパーク「エプコット」の音楽プロジェクトなどを手掛け、日本のカラオケビジネスにも進出しようとしたが、こちらは目指す方向が違うと気付いて挫折。その後、コナミの「ダンスダンスレボリューション」といった人気ゲームに触発されて音楽ゲームに力を入れ始める。
ビートルズをゲーム化するプロジェクトが動き出したのは、2006年にMTVに買収されたことがきっかけだった。MTV幹部の紹介で故ジョージ・ハリスンさんの遺族と知り合い、話し合いを重ねた。ただし実際の契約が成立するまでには相当な時間がかかったというが、「ビートルズの基準で言えばかなり早かった」とイゴジー氏は振り返る。
制作にあたっては、ハリスンさんの妻オリビアさんと、故ジョン・レノンさんの妻オノ・ヨーコさんが全面協力。「僕たちが設計上の枠組みを提案して2人にフィードバックをもらうというプロセスを繰り返した」とリゴパロス氏は言い、「ヨーコさんからは『ジョンの目はこちらの方を向くようにして』といった細かい指示があった」と振り返る。
もちろん、ビートルズの元メンバーも参加。リンゴ・スターさんからは「ドラムをたたく時にひじはそんな風に上がらない」といったアドバイスをもらい、ポール・マッカートニーさんからは、ゲームのストーリー部分について何度も直しが入ったという。
「ゲームが発売されたらビートルズファンから『ここは違う』といった声が出るだろうが、実際には僕たちが、誤った認識を正すことになるんだ」とリゴパロス氏は胸を張る。
Source: CNN