2009年10月13日(火)~10月19日(月)に開催するテキスタイル展「Warp Factor 09」は、ロンドン芸術大学を代表するカレッジであるセントラル・セント・マーチンズの教授陣や卒業者が、テキスタイルの未来と新機軸を作品によって表現する画期的なイベントである。タイトルの"WARP"とは、テキスタイル分野で縦糸のことを意味すると同時に、SF の分野で「ワープする」つまり異次元への移動の意味を持ち、テキスタイルの将来(異次元)を提起するということに由来している。
明日のテキスタイルを提起する今回の展覧会と作品カタログは、現在私たちが直面する健康や幸福、環境といった状況の視覚化、そして技能伝統の再継承と再ブランド化などの諸課題に挑むものである。例えば、着物の形からアイデアを得て、日本の古来から伝わる柿渋技法を施されたセルロース素材を用いたジャケット"Bio Courture"や、来場者の動きを示す人々の群れの様子をプリントし、工業用床素材をハンドカットすることで作り上げられた絵柄の"Tatami Carpet"、ユーザーによって変形可能なテキスタイル・ピース(布の断片)のモジュール・システムによる"Nomadic Wonderland"など、興味深い作品の数々が並ぶ。
テキスタイル産業は、多くの場合、ファッションやインテリアを支える目立たないシンデレラのような存在であり、その将来を大きく伸ばすのは、デザイナー、リサーチャー、技術者等と、実際に製造するメーカーとの融合を促す教育機関、産業界および政府などの姿勢による。既存の手法や考え方に果敢にチャレンジするセントラル・セント・マーチンズ・カレッジの伝統を具体化した今回の出展作品は、工芸と技術、デザインと科学、現実と非現実,東洋と西洋などの垣根を超え、新たな可能性を提言するものだ。また、日本の文化や長年培われた伝統工芸をリサーチすることによって作り上げられた展示作品は、新鮮で現代的なヴィジョンを伝統文化に吹き込む。
「Warp Factor 09」の開幕に合わせ、出展作品の作者らと共に、本展総合ディレクターである、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ・カレッジ、ファッション・テキスタイル学部長アン・スミスも来日。本展は、東京デザインセンターで7日間開催された後、中国広州の広州アカデミー・オブ・アーツにて10月29日に開場し、その後ロンドンに戻り、11月にセントラル・セント・マーチンズ・カレッジのレサビー・ギャラリーで開催を予定している。
また、東京展会期中には、日本の企業人とセントラル・セント・マーチンズ・カレッジのデザイナーやリサーチャーとの交流を深めるプレゼンテーションやセミナーなどの開催も予定されている。
■ロンドン芸術大学 セントラル・セント・マーチンズ・カレッジ
テキスタイル展 "Warp Factor 09"
会期:2009年10月13日(火)~10月19日(月)
11:00~18:00 ※入場無料
会場:東京デザインセンター BF ガレリアホール
東京都品川区東五反田 5-25-19
http://www.design-center.co.jp/index.
Source: エキサイト