ジョンは生前、ジュリアンが幼稚園から持ち帰ったルーシーを描いた絵にインスパイアされ同トラックを作ったと話していた。そのルーシー・ヴォッデン(旧姓オドネル)は2009年9月に免疫系の病気ルーパスのため亡くなった。彼女の病気を知ったジュリアンは、花やプレゼントを贈るなど気にかけてきただけでなく、死後、彼女に捧げる曲「Lucy」を制作したという。
ジュリアンは、彼女の死、そしてこの曲を制作することにより父ジョンを本当に許せるようになったとCBSのインタヴューで話した。「父が出て行き母と離婚したことで、僕は多くの苦しみや怒りを抱えて生きてきた。以前、父を許したと言ったことがある。でもそれは、言葉だけだった。ルーシーが亡くなり、この曲を書いたことが本当に父を許す助けになった」
「父に対するこの怒りや苦しみを持ち続けていたら、残りの人生、僕の頭の上にはずっと暗雲が覆うことになるって気づいたんだ。"Lucy"をレコーディングして、父を許そう、過去の痛みや怒りを解放しよう、いいことに目をむけそれを感謝しようって気持ちが自然にわき上がってきたんだ」
「曲を書くことは、僕にとってセラピーだ。人生で初めて、それを感じると同時に信じることができた。そして、父やビートルズを受け入れることもできた」
ジュリアンが描いたルーシーの絵は一度は行方不明になったものの、「どういう経緯かはわからない」が、現在、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアが所有しており、そのコピーを同トラックのアート・ワークに使用することを承諾してもらったという。
「Lucy」の売り上げはルーパスを支援するチャリティ団体へ寄付されるという。
ジュリアンは2010年、10年以上ぶりとなるニュー・アルバム『Everything Changes』をリリースする。
Source: barks